2014.02.17

成形工場の「豊かさ2倍、消費資源半分」にむけて (5) --- ヒート&クール成形

成形工場の「豊かさ2倍、消費資源半分」にむけて (5) --- ヒート&クール成形

5.ヒート&クール成形

前回のコンフォーマル・クーリング・チャンネルに引き続いてご紹介するソリューションは、ヒート&クール成形です。金型の温度を急速に上げ下げする事によって、「表面品質の向上」や「サイクルタイムの短縮」、さらに薄肉化による「成形品の軽量化」や「樹脂のムダをなくす」のような効果も生み出します。

最も知られているのが、表面品質をこのように向上させる効果です。射出時には金型表面温度を樹脂熱変形温度以上にしておき、射出後に急冷却して樹脂を固化させることにより、ウエルド・ラインやヒケの問題を解消することができます。またガラス繊維入りの樹脂の成形においても、光沢のある表面の実現を可能にします。

757_02

さらに最近では、新しい金型の技術と組み合わせて、下の写真ように、本物の皮のような表面品質を実現や、メタリック樹脂の成形における樹脂の配向による問題を解消もできるようにもなってきています。

757_03

我々の協会では、ヒート&クール成形で、金型を急加熱・急冷却する手段として、加熱手段(高温水、蒸気、高温油、電磁誘導)の違いによって、次の4種類の方法を提供できます。この中から、必要とする金型最高温度や成形品の大きさや形状に応じて、最適なものをご提案しています。

757_04

しかし、「表面品質の向上」のために、このような装置に投資することには、ハードルがある場合がたくさんあります。なぜなら、このビジネスの世界では、表面品質をあげたからといって、売値が高くできない、つまりすぐに儲けにつながらないこともたくさんあるからです。儲からないと投資しても意味がありません。そういう投資はやるべきではないと我々は考えます。

次回は、できるだけ、すぐに儲けにつながるようなヒート&クール成形のアプリケーションについて説明していきたいと思います。

次回に続く。

  • グリーン・モールディング・ソリューション協会
  • 事務局長 松井 宏信

PAGE TOP