2013.11.18

「金属光造形複合加工の劇的進化と運用方法の注意点、高度化」(3)

「金属光造形複合加工の劇的進化と運用方法の注意点、高度化」(3)

5. 金属光造形複合加工用ソリューションソフトウエアの開発強化

前回の記事より続く。) 弊社売り上げ60%以上の中核事業として構成されるのが、「金属光造形複合加工をベースにした型設計、製作」になっており日本、中国、東南アジアから頂く要求のほとんどが『ハイサイクル成形及び成形品質改善(特に反り改善)』が目的になっている、本工法の特徴でもある3次元水管を最大限に活かした冷却時間短縮予測、品質改善を視覚的実証することを主眼に提案を行っている。

同時に、この実戦を通し叩かれたソリューションソフトウエアを装置導入ユーザへ提供し、コンサルティングサポートを行うことも弊社の役目であり、このサポートを受ける方が、ユーザが装置本格運用をするまでの大幅な時短が可能である。Figure1に弊社の型設計/製作フローチャートを示す、このフローチャートを通して、弊社の実プロセスの事例をFigure2示す。
Figure1 OPMの型設計/製作フロチャート

Figure2型熱及び樹脂温度解析によるシュミレーション技術

■GCCC(Guide Conformal Cooling Channel)システムと樹脂熱解析CAEシステムMoldex3Dとの連携

海外では3次元水管(3D cooling channel)という言い方ではなく、『コンフォーマルクーリング(Conformal cooling channel)』という言い方が定着している
Conformal cooling channelの基本定義としては、製品面から等角、等距離で水管を設置することであるが、実際の製品形状は複雑で、製品面からの水管までの距離を意識し、水管の通らない狭い部分については水管形状を変更して設置するといった高度な3Dモデリング技術が必要となり、『いかに、出来る限りコンフォーマルに近づけるか』が設計のポイントになる、しかし設計者の視点では、時間の要する作業であり、設計作業軽減が必須、初期設計した内容が、本当に効率的な設計になっているか?CAEシステムを通じてリアルタイムに見たいということ、同様にお客様の視点も、出来るだけ早く視覚化した結果で有効性を確認したいということになる。
このような背景もあり、キャビティ、コア、スライドに対して、コンフォーマルクーリング設計をする際、水管中心線を自動的に作成できる『GCCCシステム』を開発し、Moldex3Dとプラグインし、『コンフォーマル水管簡易設計→コンフォーマルクーリングによる樹脂、型温度解析』をスムーズに実現する初版を
リリースした。(Figure3)

Figure3 GCCC systemとMoldex3Dリンクシステム

尚、弊社と台湾のプラスチックス成形CAEシステム『Moldex3D』を開発しているCoretech社とは、共同開発パートナーとして研究開発を含め提携をしており、9月より実務設計をしている代理店としても活動行うことになった。

■新統合OPM-CAMシステム
Spatial ACISを採用しユーザビリティを更新し、各種CAD専用トランスレータも豊富になり、レーザ照射方式や切削データ作成時の演算処理速度も従来比70%アップを実現した。経験がなくても、高精度、高効率な造形データ作成が可能となり、事前検証用のレーザ・切削シミュレーション機能も充実し、より確実に、かつ、直感的にデータ検証が行えるようになった。(Figure4)さらに、今年度から次世代システム開発をスタートし、CAD機能を実装し、次世代の統合CAD/CAMシステムを目指している。

Figure4 新統合OPM-CAMシステム

6. おわりに

成形機温調機最大手メーカ松井製作所と、中国上海にて、金属光造形複合加工の現地生産を行う現地法人 立模激光科技(上海)有限公司を稼動させ、大陸で金属光造形複合加工の産品を供給できる現地体制を確立した。現在は、日本製造業の現地法人、台湾EMSメーカの中国工場への供給が主体として生産活動を行っている。アップル及びヒューレットパッカードなどの超大手が、コンフォーマルクーリング技術の採用を積極的に進めているため、供給体制も大幅な増強を計画している。現地供給が必要な場合は、是非お気軽にお声をお掛け頂きたく存じます。

筆者 株式会社OPMラボラトリー
京都市下京区中道寺粟田町93 京都リサーチパーク3号館
代表取締役 森本 一穂
TEL075-314-3446 FAX075-314-3448

  • 株式会社OPMラボラトリー
  • 代表取締役 森本 一穂

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