2014.05.20

グリーン・モールディングの実現に向けて (9)

私たち松井製作所は、成形工場の資源節約パートナーとして成形工場の「factor4」の実現を提言しております。製造工程における様々なムダを無くし、成形工場の資源生産性を4倍にする事を目指しております。

前回は「ガスによるトラブルを解消するソリューション」の後編、昭和電工ガスプロダクツ様より、金型に付着したガスを、より安全に、効率的に洗浄するドライアイスブラストシステムをご紹介いただきました。

今回は、樹脂成形におけるコンタミネーションによるトラブルを解消するソリューションについてお話致します。

「コンタミ」と略して使われている事が多い、この「コンタミネーション」は、元は生物学や放射線科学などの分野で、実験の際、本来入るべきでない物質が混入した状況を指す言葉として使われてきました。樹脂成形においては、樹脂原料の保管〜輸送時や成形工程で異物が混入する事を指して使われています。

コンタミと一言で言っても、混入する経路やその種類は様々です。原料製造時、貯蔵／保管時、輸送時、乾燥時、また各工程へ移る際に、浮遊物、洗浄材などの薬品やオイルのミスト、輸送配管内の摩耗による金属粉等の混入が考えられます。成形工程では、前の成形で使用した樹脂やパージ材の残材、成形機内ではガス等の炭化物も。

コンタミにより影響を受けるのは、光学部品、センサー部品、電子部品、医療機器部品など、特に小型精密成形品や透明品があげられます。成形時のトラブルにはノズル詰まり、ショートショットなど、成形品においては強度のばら付き、変色、ヤケなどの他、精密コネクターに金属異物が混入すればショートの恐れがありますし、透明品、特に小型レンズ等であれば異物は致命的です。

こうしたトラブルを解消するには、異物が混入する可能性を極力排除しなくてはなりませんが、成形品に求められる品質と費用対効果のバランスを見て対策を施していきたい所だと思われます。求める清浄度に応じて、工場全体、または部屋単位でのクリーンルーム化、クリーン仕様機器の設定、製造プロセスの管理が必要となってきます。

マツイでは、クリーンブースからクリーン仕様の機器・部品等を取り揃え、お客様の要望にお応えしております。成形ラインの川上から対応機器をご紹介しましょう。

材料の保管から輸送まで

▼クリーン仕様材料タンク
コンタミ混入防止に配慮したクリーン仕様の材料タンクです。洗浄性を第一に考えた丸型構造とし、外気混入部に設けたフィルタでコンタミをシャットアウトします。フィルタメッシュは要求清浄度により変更する事で 10μm 〜 0.1μm の範囲で対応可能です。

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▼HEPAフィルタ＆フィルタ付きサクションノズル
高性能フィルタの適正配置で外気からの異物の混入を防止します。
ノズル先端に内ブクと吸込み防止用リング付きノズルもあります。

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▼マジックキャッチ
マグネット式の金属除去器です。材料輸送のホースの途中に入れるだけの簡単設置で、ボルト・ワッシャ・クギなどの鉄を含む金属を取り除き、射出成形・押出機・中空成形機のスクリュやシリンダを保護します。

▼カナック処理
従来のコーティング技術とは異なる、浸透式の硬化処理技術です。膜の剥離や寸法変化が微小なため、様々な金属の表面硬化処理が可能です。

樹脂の乾燥から成形機への供給まで

▼光学用除湿熱風乾燥機
吸引輸送機を一つのプラットフォームにまとめ、マツイのコンタミ対策ノウハウを盛り込んだ、コストバランスの良い装置です。

▼真空伝熱乾燥機
真空による乾燥では、ペレットの加熱のために熱風を当てる必要がなく、水分を外部に出すための最小限のパージエアーを使うのみです。このことによりコンタミのリスクを低減することができます。また真空下で乾燥させるため、材料によっては、酸化・黄変を防止し、黒点異物を減少させる効果もあります。

▼伝導伝熱乾燥機
伝熱による乾燥では、ペレットの加熱のために熱風を当てる必要がなく、水分を外部に出すための最小限のパージエアーを使うのみです。このことによりコンタミのリスクを低減することができます。又、窒素ガスでパージすることにより材料によっては、酸化・黄変を防止し、黒点異物を減少させる効果もあります。

▼エアロパワーホッパー
材料輸送時の空気流を利用した、粉取りと混合機能を持った捕集機です。成形機に直付けする事で、成形直前で材料(ペレット)を最善(最良) の状態に保ちます。

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